とうとう
2019-11-15


昨日の対局に勝って、藤井聡太七段が王将戦の挑戦者になるのにあと1勝というところまで来ました。これは凄い事です。
今戦っているのは、予選を勝ち抜いた7名の棋士によるトーナメント。
一人6局ずつ指して、タイトルホルダーへの挑戦権を得るものです。総当たりとなるその対戦相手は全員がA級棋士。現・元タイトルホルダーばかりです。その中に、たった一人、17歳、プロ棋士になってまだ3年目のC級に所属する藤井七段が挑んでいるのです。

この挑戦者決定トーナメントが始まる前は、流石の藤井七段でも勝ち越しは難しく、成績上位4名のリーグ残留すら難しいのではという声もありました。確かに豊島名人には負けましたが、ここまで4勝1敗という飛び抜けた成績で最終戦を迎えることになりました。

現在、誰もが認めるツートップが、渡辺明3冠と豊島将之名人です。その次に広瀬竜王で、藤井七段の次の相手です。経験は勿論、実力的にもまだ上の存在と言えるでしょう。しかし、勝てないとは思いません。いや、十分勝機があると感じます。

実は、渡辺3冠にも広瀬竜王にも、公式戦では一度対戦して勝っています。早指しの棋戦である朝日杯でです。
しかし、今回はリーグ戦では持ち時間が4時間です。(もしもタイトル挑戦となれば2日制という長丁場の番勝負になります。)
持ち時間が長いほど実力が反映され易くなりますが、藤井七段は長い方が得意と言えます。(超早指しから早指し棋戦も。)
広瀬竜王とは相居飛車のがっぷり四つになるでしょう。どちらが勝ってもおかしくない、そこまで「進化」してきた藤井七段。

私のような初級者でも分かることは、デビュー以来メキメキと着実に力をつけてきていること。格上の強敵でもまず2度は負けないこと。対戦した相手に3敗以上なのは豊島名人と、昨日の相手、元王将の久保9段だけですが、その相手とも、2度目、3度目と対戦する度にハッキリと強くなっていることが分かることです。
というより、強い相手に負けたあとは特に強くなっていることに驚かされます。しっかり対戦を振り返って敗因を突き止めているので、前回と途中まで同じように進行させて、今度は勝ちきる、ということがよく見られます。

また、以前は、勝敗以前に、気の済むまで先を読み、最善手を指し、また、肉を斬らせて骨を断つような、一手違いの最速の鮮やかな斬り合いを目指しているようにも見えましたが、最近は、最上位の相手に対しては、最速でなくとも絶対に負けない手を指すような戦い方に変えてきているようにも感じられます。「負けない将棋」は、唯一の練習相手である永瀬2冠の持ち味ですが、最近はその永瀬2冠が藤井七段張りの最速の詰めを見せたりで、お互いの影響を感じます。因みに、永瀬2冠は藤井聡太七段の事を誰よりも高く評価しています。

さて、今回はリーグ残留を決めただけでも素晴らしい収穫ですが、是非次戦(19日)に勝って最年少挑戦者の記録を塗り替えて欲しいな、と思います。
ただし、ご本人は記録の更新など余り気にしていないことは書き添えておきます。藤井七段は、自分が強くなることのみを目指しているからです。

しかし、このリーグ戦で更に進化して経験値を高めた藤井七段。残りの棋戦でも間違いなく素晴らしい結果を残すことでしょう。
ますます目が離せません〓〓
私の楽しみがますます増えました。
[将棋]

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