藤井聡太 竜王名人(八冠)
2024-05-13


目下、名人防衛戦で3−0となり、あと一勝で名人防衛が決まるところ。
これはもう確実と言ってよいでしょう。残り4戦を豊島九段が全勝しないと奪取できないので。
名人というのは特別なタイトルで、挑戦するまでにどんなに短くても、四段昇段(プロデビュー)から5年はかかるという権威ある最高のタイトルです。
勿論、歴代最年少で名人になった藤井聡太竜王名人です。(○冠と呼ぶのはいわば俗称で、正式には竜王名人です。)
名人と竜王のタイトルは別格で、両方持っているとこう呼ばれます。
あとの6つのタイトルは、その賞金によってランク付けされています。
簡単に分けると、1日で終わる短い棋戦と、2日かかる長い棋戦があります。
当然、長い棋戦ほど考慮時間が増えるため(8時間から9時間、相手の持ち時間を含めるとその倍です)、実力が正しく反映されやすいと言えます。
名人戦は9時間、竜王戦が8時間です。他に王位戦、王将戦が8時間の二日制で、王座戦が5時間、叡王・棋王・王将が4時間です。

長い棋戦は7番勝負。先に4勝すれば奪取または防衛、
短い棋戦は5番勝負で、3勝すれば奪取または防衛です。

今、巷で結構大騒ぎになっているのが叡王戦で、藤井竜王名人がタイトル戦では初めて連敗し、奪取される危機に立たされている?ことでしょう。
相手が同学年で、今まで藤井竜王名人に11連敗中の伊藤7段が、1敗後に2連勝したことで、初めての勝ちだっただけでなくあと1勝で奪取なので、(アンチを含め)騒がれているのです。

叡王戦の次戦の前にまず名人戦の第4戦が今週末にあり、勝てば名人防衛。万が一負けてもあと1勝で防衛です。
その後に叡王戦があるのですが、藤井竜王名人としてはここで2連勝が必要です。前回の2敗目が、ちょっとらしくない負け方だったこともあって余計に騒ぎになっているのです・・・。が、百歩いや千歩譲っても、
「1冠」と「7冠」では段違い。これで『2強時代の到来』とは口が裂けても言えないでしょう。

まず、羽生9段が持っている「7冠(全8冠でも)の保持日数」は既に更新していますし、「タイトル戦負けなし」の記録も既に大きく更新しています。
 今、どこの対局場も藤井竜王名人に来てほしくて(大変な経済効果があるため)、対局が早く終わっても、その後の開催地で「祝勝会」として招いているので、8つもタイトルを持っていると、常にあっちこっちに呼ばれて忙しい限りです。また、他にもインタビューや対談など本当に表に出ない仕事も含め超多忙なため、最近は傍目にも疲れが見えて、ちょっと心配していました。
対局も全国を飛び回り、前夜祭もあるので、その負担と移動時間もばかになりません。
また、名人奪取後、また歯列矯正を再開したので、その影響は少なからずあるでしょう。(痛くて集中できないため、プロ入り後、矯正は一旦やめていました。)

それでも、ちょっと心配していた叡王戦2連敗直後の名人戦は、前夜祭の中継を見てもとても元気そうで表情も明るく、インタビューにも静かな闘志と自信に満ちていて、これは大丈夫!と確信しました。
その通り、今回は見事に1日目から大きくリードを保って、いつもの好調時の勝ち方でした。

続きを読む

[将棋]

コメント(全0件)
コメントをする


記事を書く
powered by ASAHIネット